2月2日に節分を終えて暦の上では春になりました。
体感的にはまだ寒い日も続いていますが、1月末からも花粉も飛び始めているそうで自然界では春のおとづれが始まっています。

『冬=陰から春=陽』へ、気の流れ『下向きから上向き』に大きく変化

自然界の一部である私たちの身体は季節と共に変化しています。
「春はどうも苦手で、心が落ち着かないんです。よく眠れないし。」
という患者さんの声を聞くことがあります。
春先によく聞く症状としては、
・肩こり、偏頭痛
・顔の湿疹、頭皮の痒みを感じる
・耳鳴り、耳の疾患
など、身体の上部に痛みや痒みのお悩みを伺うことが多くなります。
今年は1月末より
・呼吸が苦しい(うまく呼吸が通らない感じ)
・頭皮が痒い
・口の中に口内炎ができた。
という患者さんもいらっしゃいました。
一方で、
「春は暖かくなるし、着るものも軽くなるし、心も体も軽やかです。」
とお話しされる患者さんもいらっしゃいます。
皆さんはいかがでしょうか?
私は、冬眠から覚め、陽の光を浴び、草木が芽吹くように、空に向かって大きく伸びがしたくなる好きな季節です。
春は、四季の中でも『冬=陰から春=陽へ』、エネルギーの流れが下向きから上向きへと、大きく変わるので、自然界の一部である私達の体や心にも他の季節以上に変化を感じやすいと思います。
その大きな変化は私たちに平等におとづれますが、感じ方・捉え方は人それぞれで、心と体の反応も異なる様です。
春の上昇するエネルギーを伸びやかに使いたい。
『気が上がる・頭に血が上る。』
と、
『ワクワク・ウキウキする。』
では、どちらも気の上向きな流れを表す言葉ですが、ちょっとイメージが違いますよね。
東洋医学では季節と体に密接な関係があると考えていて、季節毎に心身に現れる様子をまとめ、養生に活かしています。
その中で春は、肝(肝臓)と胆(≒胆嚢)と関わりのある季節で、心や感情面では、気の上昇にまつわる変調と密接に関わっているとされています。

この湧き上がるエネルギーと上手に付き合っていくには、私は同じポーズでも意識するところを変えてみることをオススメしています。
春のヨガではこんなことを大切にしています。
1、足裏と骨盤で大地を感じて、気の上昇とバランスを取る。
冬に蓄えたエネルギーで木がしっかりと根を張り、伸びやかに幹や枝葉を伸ばすように、足裏や骨盤を押し下げ安定した下半身から、腰の付け根、背骨、頭頂を心地よく伸ばすよう心がけます。
足のうらや骨盤は、冬の経絡の腎(じん)と関わるツボが多いところです。自然界と同じように私達の身体も、冬の過ごし方が春の身体に繋がっているとも言えますね。冬のヨガのお話はコチラ
2、身体の脇を開く&伸ばして、春の経絡(けいらく)の流れをスムースに
経絡とは、全身に張り巡らされていて、身体のエネルギー源となる気の通り道です。東洋医学では、経絡が滞りなく流れ、全身にバランスよく気が巡ることが健やかさに繋がると考えます。
春と関わりのある肝や胆の経絡(けいらく)は、主に身体の脇を流れています。ヨガでは、下半身をどっしりと降ろし、春風に優しく揺れる木の枝のように、脇や体側を伸びやかに開く動き(半月のポーズなど)が経絡の巡りを調える助けになります。
春の経絡 肝経
みぞおちにストレスチェックができるツボがあります。
はるの経絡 胆経
側頭部、体側、足の外側に通っています。
3、『みぞおちに指、入りますか?』〜みぞおちでストレスチェック〜
みぞおちに4本の指を添え、少し前屈みになってみてください。指がみぞおちに沈んでいきますか?
みぞおちはストレス症状の表れるところで、ゆびを沈めると「痛い、硬い、不快」な感覚があれば、気の流れが停滞している=ストレスサインと考えます。

みぞおちに触れてストレスチェックをして呼吸でマッサージ。
手のひらを脇に当てて肋骨の動きを感じながら呼吸をしてみるのもオススメです。できる範囲でゆっくり深く呼吸をすると、肋骨が開いたり閉じたりする動きでみぞおちはマッサージされ、停滞した気も穏やかに流れ、みぞおちに柔らかさが広がります。
また体側に通る春の経絡(肝と胆)へと呼吸を届けるようにイメージすると、肋骨が左右へと広がり身体の横への広がりも感じられると思います。
季節の変化に対応する経絡や気の流れをちょっとイメージすると、同じポーズや呼吸法でも違った味わいがあると実感しています。
春の上昇する気を軽やかに、心地よく感じる助けになるかもしれません。
よかったらお試しいただき、新しい発見を楽しんでくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。

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